【私的レビュー】J1第1節_FC東京 vs 浦和レッズ
■試合結果
FC東京 2-0(前半0-0) 浦和レッズ
得点者 66分 オウンゴール(FC東京)、74分 渡邊凌磨(FC東京)
■レビュー
声出し応援完全解禁の雰囲気は素晴らしかった。
試合前から久々に鳴り響く大音量の「We are Reds!!」にまず感動。
が、試合は残念ながら完敗。チーム作りはまだまだ時間がかかりそうな印象。
今期のテーマとなる「前線からのハイプレス」については、やはり朝一夕で成せるものではないと痛感。
プレスの角度、タイミング、連動性など、スキル面の難易度はもとより、フィジカル面でも全34試合、毎回90分間続けることは難しい。
数試合うまくいかなくても当然と割り切り、焦れずにやり続けながら、プレスの精度向上、時間帯による強弱の見極めなどを突き詰める必要がある。
その点大久保は得意のドリブルで違いを作るタスクもこなしつつ、後半まで愚直に相手GKまで追い回すことができていて、今後に期待が持てた。
試合後のスタッツを見てあらためて気になったのは、シュートの質と量。
FC東京はシュート9本、枠内3本で2得点。
対してレッズはシュート4本、枠内0本。当然の無得点。
個人的には枠内シュートの割合の高いことが必ずしも良いとは思っていない。
むしろ、「捨て玉」的なミドルシュートをもっと打っていい。
リカルドサッカーからの癖なのか、きれいな崩しからのシュートを狙ってしまう。
が、セオリー通りでやりたいことが分かりやすいので、大概は予測して阻止される。
崩せないなら、枠を外しても構わないから少し遠目からでも積極的に打つ。
中盤で持たせるとシュートもあることを警戒させることで、相手の守備ラインを引き出し、背後のスペースを空ける。
スペースがあれば恐らくリンセンの裏抜けはもっと活きるだろうし、大久保、モーベルグの両翼も前方の視界が開けてより創造性を発揮できるはず。
前々から思っているが、小泉にそういうシュートをもっと求めたい。
高いスキルがあるのだから、小さくまとまらずにもっと無茶もして欲しい。
あとはやっぱりCFのスターターは興梠慎三を希望。
リンセンは仕事人で、昨年の悔しさもあってか良くも悪くも前のめり過ぎな状態。
技術があってタメを作れて、二列目三列目を上手に活かせる、メンタルの浮き沈みもなく常に冷静沈着なベテランに最前線にいてほしい。
今日のゲームも69分から20分強の出場時間ながら、存在感は絶大だった。
ハイプレス戦術とのジレンマかもしれないが、彼の落ち着きと安定感は、ゲームの入りにこそ必要なんじゃないかと。
今日の試合でのリンセンと慎三の違いをスコルジャさんがどう見るか。
次戦に向けての楽しみの一つでもある。
その次戦、国内最強のF・マリノス相手に何ができるのか?
あるいは現時点では何もできないのか?
仮に勝てれば得られる自信は計り知れないし、引き分けでも手ごたえあり、負けても修正すべき点が明確になれば良し。
シーズンは始まったばかり。一喜一憂せずにチームの成長を気長に見守りたい。